Why should we burn "Beezwax" and not "Paraffin"
ロウソクの原料について考える

一口にキャンドルと云っても、その原料は様々ですが、最も一般的なのは「パラフィン」という石油製品です。天然系ですと、みつろうの他にも櫨や米ぬか、植物油等のロウソクがあります。

「パラフィン」は石油留分から分離・精製された物質ですが、弊社が調べたところ、パラフィンの有害性が懸念されるのは不純物が多く含まれている場合であり、十分に精製されたパラフィンは比較的クリーンな燃料であるという印象を持ちました。逆に云えば、純度の低い粗悪品は要注意ということになりますので、単なる値段の安さ、色や香料にごまかされることなく、慎重な見極めが肝要と思われます。

植物油100%を謳うキャンドルも、固化させるために化学物質を添加する場合もあり、また天然成分と云えども「不完全燃焼」すればススや煙(有毒ガス)が発生します。ミツロウとて例外ではありません。ですから「完全燃焼」するように、芯やロウの直径などに十分な工夫がしてあるか、また芯のカットなど「適切なテクニック」をきちんと指導しているか等もチェックのポイントとなります。

更には、いわゆる「綿芯」にも、燃え崩れを防ぐために鉛などを心棒にしているものがあり、それが燃えれば、どんな排ガスが出るか、想像に難くありません。

いずれにせよ、キャンドルの品質は、灯してみればわかります。キャンドルをしばらく灯した部屋に外から入ってみて、空気が汚れている、煙い、臭い、等と感じたら、身体に良いものとは言えないでしょう。本物のみつろうキャンドルが正しく灯っていれば、お部屋の空気がまったり、しっとり、さわやかになってくるはずです。


以上を前提として、ミツロウについて、もう少しお話しさせてください。
欧米では、ミツロウは数ある原料の中でも、最も格調が高く、エレガントで、かつ火持ちが格段に良く、ほのかな蜜の香りを放ちながらクリーンに燃えるという理由から、キャンドルの女王と位置づけられています。

中でも‘キャッピングス・ワックス(蜜蓋)’は、はちみつが入った巣穴に蓋をするためのもので、この部分に蜜の豊潤な香りが凝縮されているため、キャッピングス以外のみつろうで作ったキャンドルとの違いは歴然としています。巣礎に比べ、蜜の含有量が多く、キャンドルを灯した時にできる溶けたみつろうのプールは、とろ〜りと甘い香りを放ちます。

「巣礎」とは、両面に六角形の型押しが施された薄い板状のもので、ミツバチが新しい巣を作るための基礎になり、巣礎が張られた巣枠を巣箱に入れておくと、この上にミツバチが六角形の巣を作っていきます。巣礎のシートは、昔は100%天然みつろうで作られたものを使っていましたが、近年では、パラフィンや低温で溶けるプラスチックに六角形のエンボス加工をし、表面にみつろうをコーティングしたものが主流になっています。シート状のものをクルクル巻いてキャンドルを手作りするキットも販売されていますね。いずれにせよ、巣礎と蜜蓋では、香りも質感も違うはずですので、ご自身で触れて確かめていただけたらと思います。

純粋なミツロウは、月日が経つと表面に「ブルーム」と呼ばれる白い粉が吹いてきます。これがピュアなミツロウの証でもあり、粉が吹いてもキャンドルの燃焼性に全く影響はありません。霜でデコレーションしたかのようなブルームは、コレクターの間でも珍重され、わざわざキャンドルを涼しい場所に「寝かせて」おく人もいるそうです。

ミツロウは、働きバチが集めてくる花の蜜から作られますが、ミツバチがひと夏かけて集められる蜜は、せいぜいスプーン一杯分。1キロのミツロウを取るためには、7〜8キロの蜜が必要だと云われています。(*右写真:花の種類によって、はちみつの色にもこれだけのバリエーションが…)

草花の多くは、ミツバチがいなければ受粉できず、死に絶えてしまいます。この地球に美しい花が咲き続けるのは、ミツバチをはじめとする昆虫達のおかげに他なりません。そのミツバチが、暗い夜を優しく温かい灯火で照らしてくれるミツロウを人間に提供してくれているのだとしたら・・・神様の粋な計らいに、思わず 「いい仕事だねぇ〜」 とつぶやいてしまいます。